Kyojiのよろずひとりごと

作曲家、編曲家、ピアニストそして製作会社の経営者ですが、ここでは音楽以外の社会一般のことの雑感について書きます。

八重の桜ー妖霊星感想と井伊直弼

「八重の桜」第四回もなかなか面白かったですね

妖霊星とは「ほうき星ー彗星」のことをいいますが、昔は不吉の前兆といわれておりました。折しも井伊直弼大老に就任し世に名高い安政の大獄が始まります。

幕府が「西洋式の兵制改革」を唱えたことで山本覚馬(西島秀俊)の禁足が解かれ軍事取調役兼大砲頭取に抜擢されます。すっかりお兄さん子となった八重も涙を流して喜びます。この当時まだ八重は12歳(27歳の綾瀬はるか、がやるのはちょっと無理があるかなあ)ですが、前にも書きましたように兄の覚馬なくして八重はない、くらい八重の人生には絶えず兄の覚馬がいます。

それにしても西島秀俊、今回は本当においしい役を射止めましたね。すでに人気沸騰のようで今回の大河ドラマで大ブレークするのは間違いないでしょう。主役の綾瀬はるかも食ってしまうほどの存在になるでしょうね。実際山本覚馬の今後を考えますと歴史の展開は覚馬の観点から見ることになりますから、寧ろ西島秀俊扮する山本覚馬が実質的な主役のドラマになるかもしれません。

さて歴史に名高い、安政の大獄が始まります。この、安政の大獄があるために大老 井伊直弼については評価が分かれますが、松平容保とは遠い親戚にあたります。白虎隊の悲劇のためにイメージがよくない容保もそうですが井伊直弼安政の大獄という史実にもかかわらず、今でも地元の彦根では多くの藩政改革を行なった名君として記憶されています。ともに歴史上のできごとで実際の人物象とは違うイメージが残ってしまいましたが、それだけ時代のうねりが大きったともいえましょう。ドラマでも容保と井伊直弼が同室で語り合うシーンがありましたが実際この二人は仲が良かったようです。それにしても榎木孝明井伊直弼はなかなか存在感があってよかったですね。

井伊直弼は母親が身分が低く、庶子でしかも下から二番目だったので、藩主どころか生涯部屋住みの身分になりそうな不遇な時代が長かった人物でした。江戸時代の名君の典型である上杉治憲もそうでしたが、不遇な時代が長かった人間の方が人間としてできていくのでしょうね。ちなみに松平容保美濃国高須藩主・松平義建の側室の子の末っ子で辛うじて婿養子で会津に来た人間でした。

だいたい幕末になると井伊直弼安政の大獄が否定的に描かれ、来週は覚馬に大きな影響を与えた吉田松陰が処刑されてしまいます。実際それを考えますと井伊直弼という人物をどう評価してよいのか、戸惑うのも事実です。

井伊直弼日米修好通商条約に調印し、日本の開国近代化を断行した一方で吉田松陰、橋本佐内松平春嶽の腹心)そして梅田雲浜等の開明派の学者の処刑、ならびに勝海舟岩瀬忠震大村益次郎といった開明派の若手人材登用による開国体制構築を中断・縮小するなど行動が矛盾しています。そこが井伊直弼の評価を下げている大きな原因でしょう。

尚、面白いことに彦根藩は家康の四天王のひとりで猛将といわれた井伊直政が藩祖となり、譜代の中でも地位も筆頭、石高も譜代大名ではトップクラスの藩ですが、井伊直弼亡きあとの彦根藩は鳥羽伏見の戦いでは、薩長「官軍」の旗である菊のご紋を掲げると最初に徳川軍を見捨てて撤退した譜代大名でした。これを見たら井伊直弼はどんな気持ちになっていたでしょうね?