Kyojiのよろずひとりごと

作曲家、編曲家、ピアニストそして製作会社の経営者ですが、ここでは音楽以外の社会一般のことの雑感について書きます。

ジャーナリズムを捨てた地上波テレビ

既にご存じのとおり15年にわたってWBSワールドビジネスサテライト」のキャスターを務めていた3月で小谷真生子氏が降板した。

降板の理由はいろいろと言われているが、気になる説として次のようなものがある。

■「ワールドビジネスサテライト小谷真生子の降板は安倍首相批判にあり
http://n-seikei.jp/2014/03/post-20792.html

この記事の中で小谷氏の安倍首相の靖国参拝に関する次の発言が今回の降板の背景にあるという説がある

中国人民網の2014年01月24日14:48の記事
 

日本の安倍晋三首相が22日夜にダボス会議で行った演説と靖国神社参拝についての弁解は、安倍首相がダボスを発った後の23日になってもまだ、会議現場の日本メディアの記者たちの間で激論の的となっていた。

 

靖国参拝についての安倍首相の釈明は全くでたらめだ!私は特にあなたに伝え、中国に知らせたい。私は日本人として、安倍首相の参拝に強く反対しており、多くの日本人も反対している」。日本のテレビ東京ワールドビジネスサテライト」のキャスター、小谷真生子氏は現地で人民日報記者にきっぱりと語った。

 小谷氏とテレビ東京のベテランプロデューサー、山本名美氏は自ら人民日報記者を見つけ、安倍首相の靖国参拝に対する中国メディアの見方を尋ねた。安倍首相が22日夜に講演を終えて会場を去る際、唯一小谷氏がインタビューに成功した。小谷氏は人民日報記者に「日本メディアの記者として、私は彼(安倍首相)がこの会議の機会を借りて、どうしても中韓など近隣国の怒りをかき立て、日本国民に圧力をもたらさねばならない理由についてしっかりと説明すると思っていた。靖国参拝が彼にとって一体何のメリットがあるのか、どのような政治的考慮によるものなのか。だが彼の回答はめちゃくちゃで、私と同僚ら日本人でさえ分かりにくく感じた」と語った。

22日夜、世界経済フォーラム(WEF)のシュワブ会長は安倍首相との対話で「安倍首相の靖国参拝はアジアに不安要因をもたらし、国際社会を緊張させた。なぜ参拝するのか」と質問。安倍首相は「靖国参拝は戦死した日本兵のためだけでなく、世界の全ての国を含む戦没兵のために祈るものだ」と答えた。これについて小谷氏は人民日報記者に「全くのでたらめだ!靖国神社にどうして他国の死者の魂がいるのか?!」と指摘。

「私は参拝が中国や韓国の人々を必ず傷つけることを知っているので、特に中国と韓国の人々に、靖国参拝が決して日本の民意ではないという事実を知ってもらいたい。実際には、日本の数度の世論調査は、安倍首相の靖国参拝に反対する日本人が増えていることをはっきりと示している。靖国参拝は日本の首相の責務ではないし、ましてや日本国民の願いでもない。安倍首相がなぜ日本全体を巻き添えにし、国際世論の圧力を日本に負わせるのか分からない。日本メディアは自国民に理にかなった説明をするよう安倍首相に求め続けている」と述べた。

 

小谷氏はまた「日本人は中国との間に摩擦が生じることを望んでいない。両国民の間は友好的なはずだ」と指摘。17歳になる自身の娘がルームメートの中国人と良い友人であることにも触れ「私は中国に行ったことがあり、中国が好きだ。日中関係が睦まじくなることを本当に望んでいる」と述べた。
 小谷氏はさらに中国の古い言葉「虎の首に鈴を結びつけた者に鈴を解かせよ」に触れ、中国の負った傷を癒すには、やはり安倍首相自らが「鈴を解く」必要があると述べた。


日経やテレビ東京は今回の交代劇を規定の路線とするだろうが、中国国営新聞にここまで掲載されては、小谷氏も寿命を縮めてしまったと思われる。
 小谷氏の顔が最近ボンヤリしていたことから、やはり現実となったようだ。
 今の安倍首相の前には誰もかなわない。報道機関も睨まれる前に自制力を強力に発揮させているようだ。

むろん下5行の青文字の部分の内容は推測の域を出ない。しかし昨年末のマスコミ、とりわけ地上波のテレビの報道局の国家秘密保護法に関する報道の仕方にせよ、先日の安倍首相のフジテレビのバラエテイ出演などという前代未聞のできごとにせよ、安部政権が国内のマスメデイアをコントロールしようという意思を読み取ることができるだけに、下5行はまんざら邪推ともいえない部分がある。

またこんな記事もある。

■特集ワイド:番組改編「政治家との力関係が変化している」 テレビから消えた、辛口コメンテーター

最初に記者が「『困ったものですね』。たった一言で深刻なニュースがあっさり片付けられていく──そんなシーンが増えてはいないか。春の番組編成で、民放各社のコメンテーターの顔ぶれが変わった。気付けばテレビが辛口から薄口に……果たしてそれでいいのか。」と投げかける。

これに関する別記事では次のようなコメントをしている。あまりにもあたっているので引用する。

ある民放関係者は「安倍首相と直接会った社長から、番組改編後の出演者を誰にするかの指示が降りてくる。何が話されたかは知らされない。ただでさえ出演者に降板を告げるのは大変なのに、製作現場は困っています」と声を潜めて語ったという。

立教大兼任講師の逢坂巌さんは、「1980年代から90年代のテレビ黄金時代はバラエティー、ドラマだけでなく報道番組を重視し、衝撃的なニュースと映像と歯切れのいいコメントで構成されるようになりました。テレビが世論と政治を動かす『テレポリティクス』の時代が幕を開けた」とし指摘する。

ところが、「世の中が大きく変わってきた。いわゆる『批判』に国民が関心を示さなくなっている。景気のいい時代は批判に関心を持つだけのゆとりがあった。そのゆとりは今はない」と、その「黄金時代」の代表格であるジャーナリストの田原総一郎氏が語る。
さらに、逢坂さんは「リアクション芸だけでバラエティー化した報道番組は深い議論は苦手で、感情的な批判や攻撃に向かいやすい。そこを視聴者に見透かされ、飽きられてしまうと、後は権力を持ち世論を味方に付けた政治家に利用されるだけです」と警告する。

そのことが現実に進行している例として、82年から続いてきた3月31日に番組を終了したタモリさんが司会のフジテレビの「笑っていいとも!」で21日に現役首相として初めて安倍首相が出演したことに関して、「フジは安倍首相のおいを4月から入社させている」というではないか。

逢坂氏は、「安倍首相に見送られるように、『笑っていいとも!』が終了したことは、政治家とテレビの力関係をみせつけ、テレビが政治を動かす時代の終わりを象徴しているようです」と指摘する。

マスコミの中にジャーナリズムというものがなくなっているのはだいぶ前から感じているが、報道内容も差しさわりのない、政治家を刺激しないものになってきている。

地上波テレビはもはやジャーナリズムを捨て去った。
そう受け取られても仕方あるまい